電車に乗ると、本当に不景気なんだなあと思う。以前は網棚に本や新聞がたくさんあったのに、ここ最近めっきり見かけない。先日、某ラジオ番組で駅における新聞の販売が急激に減っているとあったけど、まさにそれを実感する。
そんななかで、見上げると珍しく頭上に週刊誌がある。以前はほとんどすべての雑誌に目を通していたけど、外国旅行に行くほど、そんな習慣も自分の中からなくなってあまり気にならなくなっている。そんな中で、ふと目にしたホリエモンの書いているエッセイに目が留まる。なんだかんだと結局は犯罪者になるのか、なからないのかという瀬戸際になってしまっているが、この人の並ではない、視点と発想は短いエッセイにも存分に現れていてやはり光る才能を見せ付けられるような気がする。まったく接点がないAとBをあわせてABではなく、その他を生み出す発想力と着眼力は天才的な経営者としての能力なのだろう。早く決着がついてまた世間をあっと言わせて欲しい人である。
不景気の中でも活躍しているのはやっぱりいつも同じ人で、装丁家の菊池信義氏のエッセイにも目が留まる。彼の思い出として書かれた、マックスエルンストのコラージュ作品「百頭女」ついての文章は少し前にパリのオルセー美術館で見た同作品展を思い出させる。これまでまったく気にもしていない作品群だったけど、纏まって見ることが出来てその作品の面白さを感じることが出来た。コラージュとしてとても面白い。展覧会のカタログはとっても立派なものでやっぱり購入しておけばよかったなあと少し後悔するが、パリの美術界も不景気だと思うが、あんなに立派なカタログを作るオルセー美術館ってやはり凄い。是非日本にも巡回すればいいと願っている。