「人類ナンバー1を目指す気持ちで取り組め」
暗い記事が多い中で、唯一光が灯るようなそんな新聞記事に目が止まった。某大学の准教授だという四十代の科学者の記事の見出しだが、はっきりとそんな風に学生を鼓舞して目標を公言できる先生っていい。まだ四十代前半なので、そんな先生との出会いは、きっと学生にとって未来を見据える素晴らしいものになるだろうと思う。
僕が大学に入学した最初の合宿で、当時の学科長が挨拶で、「この学部は日本で一番ですから、版画は世界で日本が一番なので、ここで一番になるというのは、世界で一番になるということです。」まあそんな挨拶だったと、印象的なので良く覚えている。当時、アホかとみんなで顔を見合わせたが、過ぎてしまうと、随分と印象深い言葉だと思う。
新聞記事は、そんな二昔も前に聞いた言葉を思い出させた。
なんでも、波風立てないで過ごそうという人が多い中で、自分の研究に軸ぶれしないで、まっすぐ天に向けて旗を立てているひとっていい。「自分の研究で人類ナンバー1を目指せ。」なんて先生が言ってくれるって忘れがたい素敵な励ましの言葉だと思う。きっと学生も思い出に残る言葉になるだろうと思う。きっとそんな先生にであったら難しい科学も、少しは楽しくなるに違いない。経済と違って科学大国の日本の未来はまだまだ登り坂にいるようだ。