昔取った杵柄とは良く言うが、20年ぶりに貼る油彩用のキャンバスを貼りながらこの言葉を思い出す。とにかくあまりに時間が経ってしまったので、さてどうやってやろうかなって思っていても、体はしっかり覚えていて、手は勝手に動く。
そういえば、とにかくたくさん貼ったなあと思いだす。中学生から大学へ入学までいったい何枚貼ったか。上手くなるにはとにかく練習あるのみだった。あまりに久しぶりだったので力加減がすこし弱ったかのか、緩めの貼りになってしまったら、直し方を思い出す前に水を掛けている自分がいた。
張りが甘い時は水を裏から掛けて張りを調節するのだったと、あとから思い出す。やっぱり体で覚えた基礎訓練はどんなに時間が経っていても体に残るものなのだなあと不意に思うひと時になった。