秋晴れの中、ひとり野外で粘土をこねる。天気が良いので外の仕事は気持ちがいい。ワークショップで余った粘土でなにか作れないかと考えていたが、考えるより手を動かしてみようと粘土に触れる。
銅版画も陶芸も素材が特殊なので、いざはじめようとすると気負いが生じる。その気負いこそ、作るものを窮屈にしていく理由だと思う。沢山ある粘土を自由に使って、粘土を気ままにこねていく。少しづつ形を作っては重ねていく作業は、どこか自分の銅版画制作のリズムに似ている。
素材に逆らわずに思いのまま造形を楽しむ。どんどん形になっていく様子は楽しい。途中まで出来上がると形が気に入らない。壊す。また作る。本当は作りっぱなしが良いが、まあいい。
1時間ほど粘土に向かうと2つのクニャクニャの形が出来た。やりたいようにやってみたら素材がこんな形になった。素材に向き合って造形を楽しむ。僕はあれこれ難しいことを考えるより、手を動かして物を作ることがやっぱり好きだな。そんな気持ちで造形をひたすら楽しむ時間になった。