現在制作中の連作に、グローバルに通用する題名を命名しようといろいろ考える。日本語でも、英語でも出来ればフランス語でも通じるいい言葉が欲しい。日本語でいいと思って、英訳してもあまり良い意味にならないものもあるし命名は難しい。
そんなこともあって、文学と絵画に精通する方に相談に行ってみると、英語でもフランス語でも日本語でもいい題名を教授してくれた。オブジェと版画に共通した題名が決まり、さすが!とすっきりした気持ちになったが、僕の英語の先生(フランス在住のアメリカ人)に作品を見せて題名の印象を聞くと、まあまあと。と拍子抜けした返事をくれた。
詳しく聞いて見ると、日本語の辞書に書いてある意味の順位と、フランスやアメリカで使われている順位が異なり、欧米では僕がイメージする意味とは随分異なるイメージを持たれることが分かった。
同じ言葉の中にも、さまざまな意味があるが、国によって優先的に使われる意味が随分違うことが分かる。生きている言葉を学ぶということはやはり大切なことで、いろいろな国の人とコミュニケーションをとるようになってくると、ちょっとした言葉の誤解が大変なことに繋がるということもよく理解出来る。
言葉に秘められた、さまざまな意味をよく知ること。単純な言葉にも沢山の意味が込められていて、そのことに注意して考えると言葉の迷路を歩くような気持ちになるが、最近は言葉を考えることで、自分の作品のイメージをより深く自覚出来るようになるような気がしている。