落とし物をする。拾う。実はどちらも大変面倒なことになる。落とし物を警察に届けたことが一度でもある人はよく分かるだろう。
どういう訳か、家の周りには時々お財布が転がっていて、その度に交番に届けるのだが手続きに辟易する。そうは言っても、全財産、全ての情報が入っているようなものだと、その困惑は手に取るように分かるので、しかたなくその都度交番に行くことになる。
子供に持たせている携帯電話が見つからないと、出かけに騒ぐので、もしやと思いGPSで探すと隣町の警察を示している。早速警察に電話をして事情を話すと、そこに届けられているという。最近の探索システムというのも本当によく出来たものだなあと、その実力に感心した。
匿名で届けてくれたようで、親切な人のことは分からない。だけど、拾った場所からかなり離れた場所の交番にわざわざ届けてくれたことが分かった。落としたあとすぐに届けてくれたことも。自分で何度も経験しているので、随分と時間を割いて届けてくれたことが分かる。
落とし物が自分の手に戻る時は、自分の手から離れた後、沢山の人が善意で時間を割いてくれたことの結果だと、息子によく言って聞かせる良い機会が出来たように思う。