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美術家 大矢雅章の目
by guruguru-kobo
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凹版画の研究 ビュランの研ぎ器のこと
凹版画の研究 ビュランの研ぎ器のこと_d0134629_10064913.jpg
このブログで一番アクセス数が多いのは、以前書いた「凹版画の研究 ビュラン」。いつも読んでいる人がいる。

僕はビュランの専門家ではないが、自称アマチュアの銅版画研究家、藤原久太郎氏との出会いから、いろいろ道具のテストをするようになった。アマチュアといっても、僕が氏から学ぶことが多いと言えばどの程度のアマチュアかは想像して頂けると思う。ブログはそんなことを綴ったものだが、ビュランに関してはあまり詳しく書かれたものがないので、検索すると文章が見つかるのだろう。僕が専門家ではなくあまり詳しく書いていないので、アクセス数を見ていつも申し訳ない気持ちになる。

氏との出会いから数年経ち、氏の纏めた技法書も細かい点が修正され、電子書籍「Burin 研ぎと扱い方」として540円で販売されるようになった。この技法書には、ビュランの扱いについて詳しく書いてある。少なくとも僕の知る限り実制作についてここまで懇切丁寧に書かれたものはない。非常に論理的で分かり易い。感覚的に書かれた部分がないところがいい。僕のブログを見るならこの本に目を通してもらったほうがいい。

僕と氏との出会いは、偶然の出会いから、この技法書の初期版を頂いたことに始まるが、この書籍の内容はこの数年間で重要な部分の加筆が加わった。それは、研ぎ器の項目だ。ビュランは刃物の研ぎが難しい。体で覚えることも大切なことだけど、最初に切れる状態を知っておくこともまた重要なことだと思う。僕の感覚的体験から言うと、ビュランって良く研げていると、銅を彫ったときに、冷蔵庫から出してきたばかりのマーガリンにバターナイフを当てたような感覚になる。まあ柔らかいものを切ったという感覚だと思って欲しい。そのような刃物で彫ると、本当に楽しい。僕ははじめて向かう人にそんな気持ちで、取り組んでもらえたらと思っている。

最初の頃は手で研ぐことのコツが書いてあった技法書も、生涯学習版画講座での受講生達の研ぎの状況を氏に伝えると、氏は研ぎ器の研究制作を始め、この数年でオリジナルの研ぎ器を作り上げた。何度も試作を重ねてようやく素晴らしいものが完成したと思う。完全に完成ではないので、全体の分かる写真を公開することが出来ないが、開発途中のものは電子書籍の販売ページで見ることが出来る。現在のものは本当にオリジナル研ぎ器で誰にでも簡単に最高の切れ味に仕上げることが出来ると思う。形状や使い勝手は市販されているものとは全く質の異なるものだ。

僕に作って送ってくれたものは、右利き用の特別なものなので、流線型のデザインもさることながら質感がボーリングの球のようなものでとにかく美しい。(写真)モノパワーに溢れてる。ほとんど完成まで来たので、そのうち頒布も出来るだろう。(実際の販売は右左両用の市販品は塗装のないものになると思うけど使い勝手は変わりない。)もしビュランに興味を持って取り組みたいと思う人がいたら、是非、この電子書籍を見て欲しい。

氏は次々に銅版画の便利グッズを開発して送ってくれる。今は腐蝕液に入れたときに簡単に出し入れ出来るフックのようなものを作っているらしい。僕はそれを使ってみて、あれこれ感想を送る。たぶん今日あたりまた届くだろう。春からの多摩美の生涯学習版画講座Bでは講座で使ってみたいと楽しみにしている。

僕らは数年間文通を続いている。その繰り返しで、素晴らしい研ぎ器が出来た。作っているのは氏だけど、僕は文通の結果としてほとんど完成した品物を自分のことのように嬉しく思っている。そんな氏の制作した書籍には多くの珍しい道具も掲載してある。是非参考にして欲しいと思う。





by guruguru-kobo | 2015-03-03 10:33 | ちょっと気になること
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