生涯学習講座で銅版画のきほんという講座を担当している。
全10回の講座中、3週連続で、毎週異なる技法(アクアチント、リフトグランド、ソフトグランド)を学ぶプログラムを組んでいる。3時間で一つの技法を学び一作品完成させななくてはならないのは、受講生も講師もハードルが高い。
時間によって表現が変化する腐蝕技法を、初心者の方々にわかり易く伝えるには、入念な準備が必要になってくる。この期間は、以前からテストをしてから講座に入るのだが、先週からは新たにテストの工程を写真撮影して、写真を見せながら説明を行うことにした。
どんなに熱心に耳を傾けていても、いざ自分で作業し始めると、あれ?、どうだったけと迷うことは誰にでもあることだ。数年前から、ある技法書を教科書を使用することで、工程に関する理解度が増してきたように感じている。今回助手の助言によって取り入れた工程分解の写真は、より具体的な理解を促すツールになるかもしれないと、反応をみて感じることが出来た。
これまでの講師経験から作りあげた経験則をもう一度疑ってみる。銅版画は教えることも、学ぶことも難しい。いつか、なーんだこんな簡単なことかと思ってもらえるようなプログラムが完成するといいなあと、いつも手を変え品を変え考えあぐねている。