このブログで、時々書いている
ビュランの技法書の最新版がアップロードされた。無料でダウンロード出来る。何度も書いているが、書籍は沢山の写真で構成され、初心者にもとても分かり易く、誰にでも参考になることが書いてある。
この本の著者、藤原久太郎氏は、ビュランの研ぎ器なるものを作っては新型が出来ると送ってくれる。ここでまた新しいものが届いた。今までのものも気に入っているが、本人としては新型が良いらしい。それはそうだろう。実に綺麗に使い易く出来ている。しかし、もういくつ送ってくれただろうか。どれもこれも力作で便利なものであることは間違いない。
まあビュランに興味がある人は、騙されたと思って一度技法書を見てほしいし、研ぎ器を使ってほしい。なにしろ、藤原氏とは、もう随分長い期間ペンフレンド(死語のようだが本当の話)で、この制作について随分手紙のやりとりをしたからだということもあるが、制作物がとても素晴らしいものだからだ。
スイス製のベローベのビュランを、この研ぎ器で研ぐと気持ちよく彫れる。器具を使わずにビュランくらい研いでみろ。と厳しいご意見を頂くかもしれないが、どれだけの人が、きちんと研げている状態を知っているだろうか。版画は技術を磨くことに夢中になりやすい。刃物は研げて当たり前。だが、本当にいい状態を知り、分かっていて言っているのかどうかは疑問が残る。
切れる刃物で仕事をすると仕事は楽しくなる。そんなことはなんの分野でも当たり前だ。僕は銅版画に興味を持った多くの人に、作ることが楽しいということを伝えたい。そのためにこの道具は必ず役に立つし、この本は難しい技法を誰にでも分かり易く伝えることが出来る数少ない技法書だと思う。是非手にとって見てほしい。
○写真は技法書の部分。