今日は多摩美術大学の版画科3年生に写真撮影の実習を行いました。この実習ではプロ仕様のスタジオで作品の撮影とポートレイトの撮影を行います。毎年写真が好きな学生が多くて教える側にもとても充実した時間になります。
授業の終わりに毎回アンケートをとっているのですが、今日の聞きたいことの中に、こんなメッセージがありました。
「先生がカメラマン(写真家)になりたかったのはいつ頃の夢ですか?」というものです。
アンケートに答えると、僕は大学時代に真剣に写真家になりたいと思っていた時期があります。大学に入学したら必ず写真を始めたかったのです。今日、学生が持ってきたニコンのFM2は僕が最初に手にした一眼レフカメラでした。なんだか懐かしくてつい褒めてしまいましたけど。大学1年から大学院1年まで独学で学びながら、いつの間にカメラマンをするまでになっていました。当時の就職課の人に某代理店0通を受けて見ないかと誘われた位です。あの時受けて受かっていれば。。。今頃あのアイドルと仲良しに・・・。それこそ夢です。
そんな夢も先日、新国立美術館で開催された展覧会カタログに僕が昔撮った写真が掲載されていたのを見て少し振り返ることがありました。辞めてしまったのが残念だと今でも時々言われます。
大学院2年になった頃に最初に結果が出た方で進むと決めて、最初は実は写真で受賞しました。でもなんとなく写真での目標が見つからなかったかもしれません。そんな頃、版画で受賞を重ねるようになってすっかり写真から足が遠のいてしまったように思います。
写真家になりたかったのはそんな頃の夢ですね。でも今でも写真は好きですね。
先日助手さんから、どうして写真と版画と合わせたものを作らなかったのか?と質問されましたが、「僕はオーソドックスな上質な作りが好きなので、そんな実験はあんまり興味はないのです。」と答えておきました。
写真はやはりフィルムからの手焼きの上質なプリントが最も美しいのです。