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どうしたらもっとやりたいことを毎日集中して行えるかを考えるのが、ここ最近の課題である。やりたいことに対しての絶対的に時間が不足しているのが原因だが、あまりに散らばりすぎた物事に頭の整理が追い付かなくなってしまったというのが理由の一つになっていることは間違いない。
フランスに滞在する前は、びっしりと書き込んだ手帳を片手に、あれもこれもこなしていたように思っているが、どうもそういった生活から一度離れてしまうと、頭の整理がつかないようだ。習慣が変わるというのは恐ろしいものだ。 いろいろ考えた結果、やはり時間割表を作って、迷わずにその時間にやるべきことをやるのが一番いいように思っていると、タイムリーに「アクションプランナー」という手帳を開発した女性がラジオで開発秘話をしていた。目標設定型として位置づけられるこの手帳の考え方は、ワタミの社長も独自の手帳を愛用して、ゼロから現在の会社を作ったのが有名だが、僕もちょうど19歳の時に同じような発想を「セザンヌの構図」という美術書からしている。僕はこの持論を「箱の理論」と言って時々話すことがあるが、僕の考え方は、物事の最終目標設定から、一番手前にある物事への距離と必要な時間を割り出す考え方である。しかし僕自身がこの方法を完全に使いきれるかというと残念ながらそうでもない。 この考え方はごく当り前の考え方で、聞いてしまうと「ふーん」という程度のものになってしまうが、「俯瞰して物事を考えること。最後までやり通すという信念があること。」この二つの資質がないと結果が出せない方法だと思っている。当たり前すぎる話ほど、実行は限りなく難しいのだ。 目標設定型で必ず結果を出すことができる人は、きっと目標達成前には、限りなく周りからは変人扱いされているに違いない。世の中にはそんなに多く、先のことを判断して現在の地道な努力をできる人は多くないのだから。だから多くの人には、その時になぜそれを行っているのか意味がわからないだろう。 僕の周りにもそういう方がいて、長い間一緒に働いていても最終的な落とし所を、想像すらできなかった。どんなに回りを敵に囲まれても信念を曲げずに、落とし所を変えないというのは、年と共にただ頑固になったわけではないと感じている。きっとそういう方は、もうだいぶ以前から、最後の箱の締め方のイメージができていたのだろうと、今は思っている。僕も美術の世界に足を踏み入れていてから10年刻みで、目標設定をしてきたが、ここ最近、はっきりともっと先までのイメージができるようになってきた。僕の手帳にはまだ書ききれないが、箱の大きさが決まったことで、あとはやることを決めるだけで話は早くなったのだと思っている。行き当たりばったりも楽しいけれど、しっかり目標を立ててじっくり組み立てて行くことも、箱庭を作るようで楽しいのである。 僕もそんな人たちを横目に見ながら、箱の最後にあっといわせるようなネタを仕込んで、じっくり寝かせておきたいなあと、箱庭の設計図を引きながら思うのである。
by guruguru-kobo
| 2010-04-12 00:01
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