人気ブログランキング | 話題のタグを見る

美術家 大矢雅章の目
by guruguru-kobo
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
カテゴリ
全体
大矢雅章のウェブサイト
お知らせ
展覧会情報
制作日記
ワークショップ
旅行記
散歩
交友録
ちょっと気になること
好物この一品
本棚
エッセイ
語学
以前の記事
2020年 10月
2020年 05月
2020年 01月
2019年 12月
2019年 10月
2019年 07月
2019年 05月
2019年 01月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 11月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
フォロー中のブログ
メモ帳
最新のトラックバック
ライフログ
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
メモリアルストーン
30才を超えると墓参りにいくようになる。と、良く聞く話だ。これは身近な人が亡くなって初めて墓参りの実感が湧くからだと思う。墓地が荒れ始めると、家が没落するというのも良く聞く話だが、花の手入れの如く、衣食住に直接関係ないことに気を回せなくなると、本当に余裕がない現れだと人目にうつるからだろう。

余裕のあるなしに関係なく、両親は墓を草一本生やさないように綺麗にしているので、我が家の墓地はまるで、自宅の玄関のようにいつも綺麗になっている。この墓地は祖母が亡くなった際に、建て替えたものだが、僕はその建立にあたって、見たことない形の墓石にするように提案したのだが、残念ながら普通の四角い石になってしまった。その後しばらくすると、そういった変わった墓石のブームが来て、たいそう変わった墓石が多く見られるようになった。僕自身としては実に残念でならないが、しかし鬼籍に入った彼女がそれを望んでいたとも思えないので、まあ仕方のないことだろうと思ってもいる。変わった墓石が流行初めていたなかで、その頃縁あって訪れた前衛書家の大家であった宇野雪村氏の墓石は、個性的な素晴らしい文字が描かれたものだったということを覚えている。

存命中に個性的であった人は、亡くなっても個性的でありたいと願うのか、はたまた、残された人達が故人を偲んで個性的に作りたくなるのかは分からないが、一風変わったものが多いのではないだろうか。まだ先になるだろうが僕個人の願いでは、見たことないような個性的な墓地に眠りたいと思う。例えて言えば、そうロダンの地獄の門のようなものがいいなあと思ったりする。

おふざけにも程があると思われるが、同じようなことを思っている人は世界中に沢山いるらしく、その中で、僕は10年前に「郵便夫シュバルの理想宮」という本のモデルになっている郵便夫シュバルという人物に感銘を受けたことがある。30年以上掛かって、フランス中部の村に自力で、見たこともないような奇妙な墓を作った男の話である。墓地として作った理想宮は地域の反対にあって、結局、墓碑にはならなかったけれど、後生に残る偉業として、結局は彼の墓所になったように思う。

墓碑の形は、いろいろ考えるとやはり生前の生き方の鏡のようだなあと思う。人生のデザインの最後を飾るに相応しい自分の形はいったいどんなものになるのか。変わったものを作るにはゆっくりと時間をかけて計画しなくてはならないなあと、この不思議なメモリアルストーンを見て改めて思うのである。

メモリアルストーン_d0134629_23505965.jpg


---------------------------------------------------------------------------------------------------
先日のデモンストレーションのことを、アーティスト鈴木朝潮さんのブログで紹介していただいています。こちらも是非ご覧ください。
by guruguru-kobo | 2010-06-04 00:06 | ちょっと気になること
<< 大人の綱引き 楽園 >>