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パリからちょっとひとっ飛びで、トゥールーズ方面の遺跡巡りをしてみました。トゥールーズにはロマネスク時代のもっとも美しい教会サン・セルナン教会があります。この教会はフランス革命を生き延びた貴重な教会です。 この教会にはロマネスク教会のもっとも特徴的な柱頭彫刻を数多く見ることができます。近くにあった美術館にはその教会から移設したオリジナルの柱頭彫刻を数多くみることが出来ました。このロマネスク美術(教会)のスタイルはこの地方から始まったとされていて、フランスの地方では他にも数多くの現存する遺跡をみることが出来ます。 ロマネスク美術はゴシック以前の11世紀の芸術です。この様式美にはルネッサンス以降のゴシック形式にない、自由で大らかな表現があります。僕はヨーロッパ各地でそのロマネスク美術を注意して見て回っていますが、各地に残るこの時代の宗教彫刻には、その多くにユーモアと残忍が表裏で表現されているように思うのです。 キリスト教社会の掟を口伝するために作られた絵画や偶像は、まだこの時代では、詳細な部分にあたる言語をもたない、見る側に想像が出来る程度の柔らかい掟を伝えるものだったように感じます。そこがなんとも魅力的で見ていてほっとするものがあるように思うのです。 そしてトゥールーズから電車で40分のくらいのところは、世界遺産にもなっている、カルカソンヌの城塞都市があります。この城塞都市も古代ローマ時代からの城壁に2500年もかけて増築や修繕が行われた、とんでもない大きさの城です。1800年代に大幅な修繕があって現在の形になっているので、なんとなくパリの屋根と同じような形であったりするのがなんともいえないのですが、修繕されたといえ、そのスケールの大きさや美しさはなんともいえないものがあります。陸のモンサンミッシェルといえば、わかりやすいかもしれません。 この城塞都市にも11世紀に建てられて、その後増改築の末に現在に至る、ロマネスク様式とゴシック様式が一緒になった教会があります。まあ城事態が、ローマ時代に作った部分があるくらいなので、当たり前かもしれません。しかしこれも様式に興味があると、なんともちぐはぐで面白い形をした建築だということが一目でわかります。 しかし興味をもって歩いていてもヨーロッパの見聞は本当に宗教の歴史をしらないと全く意味がわからないなあといつも感じます。
by guruguru-kobo
| 2010-11-30 20:36
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