昨日嬉しいお便りを頂いた。先日ある画廊の方がきた際に持って帰ったフレスコ画に反響があって、めでたく売約になったという。決して安い価格でないのに手に求めてくれた人がいてくれて本当に嬉しい。
話のついでに、制作中の油彩画は如何でしょう。と聞かれたので、まあ一進一退ですと答えると、ペタペタですからね。と言う。何のことかと尋ねると、油絵はペタペタと終わりなく筆を走らせてしまうからだと伺った。なるほどものは言いようだ。
油絵にはプロセスがない。と先日ある版画作家からお聞きしたが、まさにこのことで、油絵は好きなだけ筆を走らせることが出来るので、時間を忘れて描いてしまう。版画はどうしてもプロセスがあるために作品を進めてゆくためには、手を止める必要があるが、油彩画にはそれがない。
僕にはやはり、プロセスがあって休み休み制作するほうがスタンスとして合っているように思う。長い間の慣れもあるが、油絵はまだ集中しすぎて、すこし疲れてしまうからだ。
ペタペタもいいけれど、最近はまた少しばかりガリガリと銅版でも削ろうと思っている今日この頃である。新しいことを取り込むのは本当に難しいことだなあと毎日が格闘のように思う制作の日々となっている。