子どもに彫刻刃を持たせるときにどんなことに注意するべきか。と尋ねられた時に、一度手を切ってみるといい。と答えることがある。極論だが、刃物で少しでも怪我をしたことがあれば、人に刃物を向けるようなことがないと考えているからだ。
そんなことを言っても自分で切ってみると実に痛い。研ぎ出したばかりの彫刻刃が皮の手袋を突き破って、見事親指を少しばかり切ってくれた。僕の研ぎは流石。と思う間もなく痛い。たくさん切った訳ではないので、まったく大したことはないが、少し手先を切るとめげる。この少しが痛いのだ。
ノリノリだった彫刻はすっかりやる気を失せてしまって、リズムが狂う。制作のリズムは呼吸と同じなので、呼吸が狂うと一変で調子が狂ってそれ以上はできない。
そんなことで気分一新して描きかけの油絵に絵筆を走らせるが、これもなんとなく調子があがらず、いつのまにか筆を持ったままコックリコックリとしてしまった。
昨夜は深夜まで語学の授業があって、今朝は早朝から子どものリクエストを聞いて自転車に乗せて遊ばせていたので、やはりすこし寝不足がたたって集中力がない。はやりそんな時は刃物は持つべきではないなあと、夕暮れを見て反省する一日になる。