昨日は日本橋から銀座まで頂いたいた案内状をつぶさに歩いて回った。久しぶりの銀座巡りはやはり楽しい。ギャラリー砂翁での上田さんの蜜蝋画の展示も面白かったし、不忍画廊のビュラン作家の渡辺千尋展も素晴らしい内容だった。あとOギャラリーやなつか、志門、福山などを回る。
志門で開催中のコンクール「ドローイングとは何か。」展とその下の階で開催中のギャラリーたむらで開催中のインサイドエスキース展は、計らずとも同時期開催の素描展で面白い対比だった。インサイドエスキース展は多摩美術大学美術館に以前お勤めだった仙仁司さんでたまたま作家達と共に在廊されていた。コンセプトを聞いてみると、完成された作品というより、息遣いのようなものが見せられる展覧会として企画したという。同じ素描としてみると、この二つの展覧会は実に面白いと思う。どちらをドローイングととるかはその作家のものつくりの姿勢を見て取れると思う。
画廊で発表するとうのは、作家にとっては晴れの一大舞台なので、見る側も作る側も気構えて「こうあるべき」という目で見て考えてしまうが、企画する側も画廊側も作家側も了解の上で、自由な発想で実験的な展覧会が行われているということが、見る側にも新しい形を喚起できるし、本来はそうあるべきだなあと思ったりする。まあそうは思っても画廊は商業ベースで成り立っているので、なかなかそんな気概のある画廊主も少ないし難しいと思う。しかしここ最近、面白い展覧会を企画する画廊が目立ってきているようにも感じているので今後画廊巡りもまた楽しみである。
以前は毎週のように銀座をぐるぐる回って見ていたが、最近はすっかりそんな時間もなくなってしまって久しぶりの画廊巡りになったが、やはり同時代にどんなことが行われているのか、自分の目でよく見て判断しなくてはいけないなあと銀座を後にした。
◎写真はミキモトのショーウインドウに展示中の佐藤菜緒さんの作品。座間市在住の若い女性彫刻家の作品です。