子供には贅沢だ。と言われそうですが、保育園で開催した銅版画ワークショップはフランス製のシャルボネインクとドイツ製のハーネミューレを使って行いました。もちろんプレス機も設置します。ドライポイントの制作を、良く研いだニードルとルーレットを使って自由に作りました。自由保育の園なので、先生も子供も自由な人たちですから危険な事以外は道具の使い方も描くイメージも自由に楽しんでもらいました。
子供の絵は、「子供の話を聞いて分かるようなものがいい。」と先日このブログで書きましたが、ルーレットをひたすら勢いよく転がしている子供に何かいているの?と尋ねると、風を描いているんだ。って言っていました。その言葉を聞いて素晴らしい感性だなあと心から感動しました。
はじめて使う道具を自由に使って、自分で作りたいものを作る。作ることの楽しみの原点がそこにあるように思います。6才の子供達と一緒に過ごした時間を通じて本当にいろいろなことを学びました。まさか保育園の先生をする人生が待っているとは、1年前の僕は想像もしませんでしたが、気軽に引き受けた仕事から得た経験は実り多いものになりました。毎回詳細に書き留めているノートは、きっと思いもしない新しい自分の研究の礎になるような気がします。