美術家 大矢雅章の目
by guruguru-kobo
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魅惑のニッポン木版画展を見て
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横浜美術館で開催中の魅惑のニッポン木版画展見に行きました。日本木版画の伝統と歴史が良く分かる展示で、なるほどなあと感心しました。知っているようでも、俯瞰して流れを見る事で新しい発見があります。日本の水性版画は長い歴史があるだけ、風土に良くあっていている方法論で、また積み重ねられた技術も素晴らしいものだと思いました。

新しい表現と一言で皆言いますが、新しい表現には2種類あって、新しい大きな方法論を提示することと、積み重ねた伝統技術を自己の鍛錬によって乗り越えて作られる新しい表現があると思います。今回の展示では最後の現代の部門に、この二つの方向それぞれに値する作品が展示されていたように思います。

これから志をもって版画を制作する世代には、過去の伝統と歴史を一度俯瞰してよく研究して、これから自分が作り出す新しい表現というものが、どのような位置づけになるのかよく考える必要があるように感じました。僕の表現技法は銅版画ですが、第3章の展示の流れの延長にあるのだと改めて実感しました。

数年前に行われた版画の討論会で、日本版画は自分のポエムを表現する作品が大半であり、それが版画の特徴であり閉塞感の原因になっているとありました。これは大きく言えば、団体に所属している作家に向けた発言だと思いますが、それも含めて版画を誰もが認識できる表現はそのようなものが多いと思います。まあこれも長い話の要約で僕の受け取り方ですから間違っているかもしれません。このような表現はこの第3章に連なった表現の突き詰めた形なのだと思います。

版画はエディションがあるため、メディアだとよく言われましたが、版画はメディアでもなんでもないと思っていました。今メディアといえばインターネットであり、それ以前もメディアの役目はしていないのだと思います。メディアというもののあり方は情報の伝達手段であって、自分の内なる心情を数十枚によって伝えても、それはメディアという言葉で表すようなことではないと思うのです。

ここ10年に満たない間に、日本には極少数ですが、アングラながらメディアの要素を持ち、かつ古典的な版画の技法を駆使して作られた作品が登場するようになってきました。僕の目から見て、銅版画、木版画、リトグラフにそれぞれ一人づつそのような作家がいます。第4章にそのような作品を見ることが出来ました。ここで名前を出しませんが、この3人の作家はオーソドックスな技術をごく普通に使って、多くの人に説明なしで情報を伝達できる言葉以上のインパクトを持った表現を見せてくれているように思います。むろん本人達はそのような観点で自分たちを括っていないと思いますが、この3人はそういう意味で、大昔の刷り物としての版画が担っていた要素を現代日本に今に通用する表現として生まれ変わらせた作家達だと思います。

伝統を紡ぐと考えると、みな、その延長上に何かを築きあげたいと思いがちですが、その気持ちはすでに衰退の一歩を歩きはじめているのだと思います。日本木版画と一括りで言っても、長い歴史の中で、表現の否定と肯定の繰り返しで少しずつその時代に受け入れられてきたものが残ってきたのだなあと改めて感じました。

日本の木版画史をざっくり俯瞰出来、新しい木版画の表現とはこんなものである。という学芸員の視点が良く分かる展覧会だと思いました。僕は団体に属していますが、第4章で展示しているような作家が団体にも出品してくれるといいのになあと思うばかりです。



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by guruguru-kobo | 2014-03-15 18:59 | ちょっと気になること | Comments(0)
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