ここ最近、朝仕事に向かう前に公園でドングリを拾っている。3000個ほど集めたいのでコツコツと一人ドングリを集める。場所によって落ちる時期が異なるので、事前調査が必要になる。
同じ市内でも成熟の具合が異なるので、落ちているドングリを見つけるのはなかなか難しい。ドングリを採集できる場所として米軍基地に隣接した公園がある。この公園は米軍基地を挟んで隣接するもう一つ別の公園と対になっているように感じている。一つ目の公園には大きな木があって沢山のドングリが落ちる。中間の米軍基地の中にもドングリの木ががフェンス越しに見えるが、そこは絶対に近づいてはいけない場所なので、ただ眺めるだけだが、よく見ていると木の太さが同じことに気がついた。
そんなことを思って、最初の公園から基地を挟んで少し離れた場所にある公園を遠くから眺めると、やはり同じような太さの木がある。きっとこの土地は昔は同じ山だったのではないかと気がついた。気になって反対側の公園に向かってみると、公園とは名ばかりでほとんど森と言っていい場所だった。斜面を登って森に入ると、思った通り樹齢のかなり古い木が多い。そんなことで、この場所にも反対側の木同様に大きなドングリを落としていた。
他の人にとっては本当にどうでもいいことだが、僕にとってはとても有意義な発見でまた新しい作品に取り込むことができそうだ。ダーウィンの進化論ではないが、土地が分断された後も、分断される以前の形で進化している様子を見たように感じている。屋外で流れる雲を眺めたり、ドングリを拾って山歩きしたり、飛んでいる虫の音を聞いたりして、自分にとって大切なことを考えることが僕の制作の原点だと思う。