版画には主に銅版画、リトグラフ、木版画、シルクスクリーン、デジタル表現がある。制作には版種を選び、さらに技法を選択することになる。版種や技法の選択は、内なるイメージの再現に選ばれるものであって、技法が優先されるべきではないと僕は思う。もちろん技法の習得のために技法から作れるものに挑戦することも、成長の過程では必要になるとは思うが、あまり好ましい方法ではない。
創作は未知なるものを探す行為であって、技術の向上だけを目指すものではないからだ。むろん、技術の向上なくして、忠実なイメージの再現は出来ないが、内なるイメージを具現化するために試行錯誤することで身についた技術は、作り手のイメージを再現するための独創的な表現として確立するのだと思う。
なぜその版種で制作したのか。それは版画制作にとって、もっとも重要な要素であり自身が捉えていなければならない根幹的な問題だと僕は捉えている。