次男のお願いを聞いて朝から水族館へ行くことになった。海に面した水族館は、天気がいいと季節を問わず気持ちのいい場所だ。
大きなエイが頭の上を何匹も通過すると、宇宙人が来たと大声で叫ぶ。確かに見たことない奇妙な生き物だと思う。次男は思ったことを大きな声で相手に伝えることが好きだ。行きたいところ、食べたいもの、やりたいこと、いつも気持ちが良いくらいはっきり伝えることが出来る。
訪れた水族館のある街は、古くからの町並みが残っていて、時々面白いお店がある。長男はそんなお店を眺めていくのがとても好きだ。射的やスマートボールの出来るお店もある。次男のお願いが水族館なら、長男のお願いは以前行ったことのある射的だった。
長男はなにかと慎重で静かな気質なので、射的をするときもジーと念入りに狙って打つ。次男はエイを見て宇宙人が来たを雄叫びを上げるような感じなので、射的なんかやらせると、打つのも思いっきりが良いしノリがいい。かけ声の割には射的は一発も当たらない。
そんな調子でさっさと球を打ち尽くして、今度はスマートボールをするが、初めてやったゲームが楽しいようで、喜びを体と声で表現しておおらかに遊ぶ。これには、お店の年配の女性達も目尻を下げて微笑んでくれた。長男は慎重に球を打つのでなんとなく始まってなんとなく終わってしました。
兄弟と言っても、同じゲームをさせると真逆な気質が露わになる。後ろで眺めていると本当に面白い。僕も弟と全く正反対の気質だが、仲は決して悪くない。この兄弟もそうあって欲しいなあと二人並んでゲームする姿を見て思う。