先日雪の中、陶で作られた大きな彫刻のような作品展を見た。帰りに立ち寄った「LIXILブックギャラリー」で、工芸の領分という本が目に留る。陶芸は工芸の領分に入ることが多いと思うのだが、現代ではコンテンポラリーアートというジャンルに区分されるようなものもある。それがどんな点で線引きされるのか急に気になったからだ。
というのも、同じようなことが版画でも言えるからだ。どこまでがアートで、どこまでが工芸の領分に入るのか。よくよく工芸の問題から考えてみたいと思う。そんなことで随分と長いこと立ち読みしただけど、あんまり面白いので購入することにした。最近どんどん本が多くなり、これは危険だなあと思っているのだけど、やっぱり面白い本は持っていたい。買ってしまったので「工芸の領分」から、版画のことをゆっくり考えるとしよう。
「LIXILブックギャラリー」は、幅広いジャンルで面白い本が多い。ブラブラ見ていると、「ドングリの謎」という本に出会った。読んでみると、僕が興味を持っていることについて詳しく書いてある。かわいらしい絵と、対象に対しての愛情溢れる文章は、ドングリに興味がなくてもきっと楽しめる。理科の先生だと書いてあったが、こんな先生の授業は、いつまでも記憶に残るだろうと思う。
本屋さんはいつ行っても楽しいが、気持ちの余裕がないといい本との出会いはない。いつも銀座では足早だが、雪が降る中、雨宿りついでに入ったのがよかった。店員以外だれもいない店内は自分だけの図書館のようだった。いつもと少し違う行動は、新しい発見との出会いに満ちあふれている。