本当にめまぐるしい日々が続いている。ひとりで出来ることはやはり限界があって、それ以上というのは、手の中からポロポロものがこぼれるように落ちていき、周りの人に迷惑を掛けることになる。最近うっかりが多い。これはいけない、やはりあまり忙しいのは良くない。
さて、ここ最近ワークショップや講座の写真を掲載することが多かったけれど、制作はひっそりと順調に進み、メゾチントのことをせっせと研究している。これもまた、ひょんなことで先輩に紹介していただいた著名なメゾチント作家とのメールのやりとりを経て、最近はすっかりメゾチントの目立てのことに注視している。
今回の技法探求は、作品に直結していて、比較的大きなメゾチントの作品にそのまま反映している。というか、やりながらので、大きな版には失敗した傷が無数に入り、多少残念な気持ちもするが、制作というのはだいたいそのような時が一番面白い。やはり、刃の研ぎ具合が問題で、昨日も数時間、刃の研ぎに格闘した。
世の中には探せば凝り性という人は沢山いて、ビュランの凝り性、メゾチントの凝り性といった具合に、人知れず研究に打ち込んでいる人がいる。僕は飽きっぽいのでなんでも挑戦だが、やはり一つのことを追求している人は、対象をよく観察していて、ものをよく見ているいるなあと感心する。
はじめてみたけれど、メゾチントはメゾ専からすれば初心者のようなものなので、とにかくジーと観察して、新しい作品に反映させている。どんなものができるのか、自分でも不安だが、まあやってみてそれから考えることにしたいと、セッセと版を耕すようにメゾチント技法に取り組んでいる。知らないことを探求することはやはりいつも楽しい。