時々水性の銅版画インクを使うことがある。大変便利なものだが、油性とは少しばかり使い勝手が異なるので、注意が必要な時がある。
水溶性のため紙が湿り過ぎていると紙の裏まで染みてきてしまうことがある。販売店のカタログにも色彩によっては、そのような傾向があると記載があるが、他の色でも紙が湿り過ぎていると抜けてくることが黒インクを使っても分かる。
今日は急に刷ることになったので、ハーネミューレを5分ほど水につけて新聞紙にくるみ、1時間ほどほっておいてみたが、それでは湿りすぎのようで、紙の裏まで染みてしまった。次は表面だけぬらし、少しほっておいてみた。これは上手く刷れているが、紙が硬いのが気になる。
先日のワークショップでは水につけてから新聞紙にくるんだ状態で4日経った位が丁度いい状態だった。水性インクの場合、紙の湿しによって刷り上がりが随分異なるので、エディションを刷る場合は湿しに注意が必要だろう。やはり使用する材料はテストにテストを重ねてから使うべきだと感じる。