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美術家 大矢雅章の目
by guruguru-kobo
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遠くに住んでいる仲良しさん
渡仏まで一ヶ月を切りましたが、パリで住むアパートがなかなか見つかりません。いい加減家探しも飽きてきました。もう面倒なので行かなくともいいかな、なんて思ってパソコンの画面を眺めていたら、そこにタイミング良く電話が掛かってきて、「私も用事があるけど、大矢くんに用事がある人が多いのでもう別に行かなくてもいいんじゃないの」と言っていました。

たぶん私費だったら止めています。間違いありません。

確かに、フランスに行く予定のないときは、なんだかあちこちで厄介にされていたのですが、さて渡仏が決まったらどうも必要に思ってくれる人が多いのです。そういえばブラジルに行った仲間も「いるとうっとうしいけど、いなくなるとつまんないなあ」と言っていましたっけ。どうもそういう位置づけに生きているようです。帰国したら心を入れ替えていつでも必要に思われる人間にならなくてはいけませんね。

そんな住宅に関する問題で頭を悩ませてきましたが、この友人がとても納得のゆくアドバイスをしてくれました。

「知らない場所で一人で生活するのに、住むところまでしょぼかったら、凹むでー」と。

ナイスな意見です。ストレートにイメージ出来ます。僕の右脳にハッキリと寒い冬に一人で貧相な部屋に丸まっている自分を思い浮かべることが出来ました。フランダースの犬のイメージを彷彿とさせます。これは大変なことです。僕にはパトラッシュもいないのですから。

まさにそう言われると正論です。今までどこに行っても箱入りだったので、今回は少しいい年をして小さな試練を乗り越えなくてと思いましたが、それは勝手な思い込みで、よくよく考えてみると、いつも通りに「大変な思いはまっぴらです」と、どうして思わなかったのか、よくよく不思議です。大まじめな性格が災いして、なんとなく頑張らなくてはならないと思っているのです。

これは最近僕が提唱している「ねば論」に自らがはまっている証拠です。

頑張るのは語学でも、住居問題でもなく、大切なのは”ぼー”とすることだとこの研修に推薦してくれた師匠も言っていましたっけ。この貧乏性仕事人間に”ぼー”としろというのは非常に頑張る必要があるのです。かなりの努力が必要になります。そこに目を向けるには、やはり快適な住居が必要なのです。

やっと頭の中が整理されてきました。スッキリ!

遠くに住んでいる仲良しさんですが、悩んでいる時にこんなにタイムリーにナイスなアドバイスをくれるなんて、やはり持つべきものは同じ価値観を持つ友人ですね。
by guruguru-kobo | 2008-08-22 00:01 | 交友録
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