ほんの弾みで手に取ったこの阿川佐和子さん 「サワコの和」が超絶に面白い。
面白いというより切り口が心地良い。僕はあまりテレビをみないのでこの方のことをよく存じ上げていないのですが、話の内容いい、着眼点といい、もしこの文章が聞いているお話だったら、間違いなく気がついたら聞いて、しゃべり倒して翌日だったというくらいの、面白さ満載の文章です。なんせ電車を乗り過ごしそうになりました。
僕は本を2回読み返すことがまずないのですが、この本は日本人がどういう人種なのかということがよく書かれているので、ついボールペンで書き込みをしながら2回目に突入しています。
僕は多くの方に非常に欧米人ぽぃと言われますが、(これは内面の話です。外見はべたにアジアの人です。)実はこの本を読むとそれこそ僕は純血の日本人だということが分かりました。大きな発見です。多分逆に多くの日本人が既に欧米化しているのです。
この本はそんなことでエッセイとしてリズミカルな文章もさることながら、内容の濃い一冊です。
しかしこの文章の面白さの一方で、この方は殆ど読書をされたことがないと書かれていますが、文才のある方でもまれにそういう方がいるのですね。たぶん話すのが好きでそれが文章に置き換わっただけなのでしょう。最近文章を書くのが好きな僕もここ10年くらいまったく本を読みませんでしたが、文章は人の文章を読んだ蓄積経験ではなく、たぶん伝えたいことの現れなのなのではないか。と、この人のエッセイを読んで感じます。
まあとっても痛快な一冊で、この秋の僕のお薦めです。